2005年07月22日

誰でも語れる愛国心

忘備録的にメモしておく。

昨今、愛国心を敢えて大上段に語ることが、問題吹き出まくりの緩みきった戦後体制の漠然とした批判のポーズとして流通している。彼らのスタンスは、反米、反戦後民主主義、反共、反中、反韓国朝鮮、反日教組、反朝日、反アカデミズム(学知)、反市民運動、反9条、反平和主義…といったところか。まあ、それはそれでよい。またそれを端的に国粋主義的だとか右翼的だとも思わないし、彼らが罵る対象を、全て擁護したり守るべきだとも思わない。
問題があるとすれば、諸外国(諸先進国と言ったほうがいいかも)の多くの国民が持っているであろう愛国心と、彼らが愛国心という名を以って語っているところの諸意識とのズレだ。要すれば、愛国心の言葉が独り歩きして、愛国心、愛国心とは言うがその内実はそれとは明らかに別物という事態だ。
ただ厄介なのは、問題自体が個人の内面に関することなので、多少学術的な指摘しても、これが我が愛国心だ、文句あるか、と議論をリセットされる場合があるということ。

以下今日はポイントを列挙するだけに留めよう。

・ナショナリズムとパトリオティズムとの違いを弁える
・パトリオティズムとは愛郷心や郷土愛のことだが、愛国心と訳されている場合も多い
・愛国心をパトリオティズムとしているのも多い
・ナショナリズムは素直に訳すと国民主義が妥当だが、国家主義や民族主義とするのが多い
・パトリオティズムは自然感情と言えるが、ナショナリズムは近代以後のみ可能(非自然)
・日本では、国も郷も「クニ」となるため大変厄介、故に私は愛国心という語を使わない
・場合によっては、ランドもステイトもカントリーもパトリもネイションもガバメントも「クニ」になるから大変
・基本的に諸外国のスタンダードな愛国心とは即ちナショナリズムだと捉える

(注 例えばナショナリズムを何と訳すかなんてのは、それだけで学術的に論争的なテーマです)

端的には、会ったことも見たこともない人を同じ国民(同胞)だといきなり認識できるかどうかが、ナショナリズムとパトリオティズムの違いか(あるいは近代以前と以後の違い)と思うのですが、どうでしょう?
posted by 日本海式エビ固め at 02:11| 天津 🌁| Comment(7) | TrackBack(5) | 雑考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
複数の宛先にトラックバックした際、不手際で三重に送信してしまいました。削除して頂いて構いません。お詫び致します。
Posted by エビ at 2005年07月23日 00:09
TBありがとうございます。とても勉強になりました。…というのも、ワタシは右と左、ドッチがどっちだったっけ? というくらいアホたれなのに、つい思ったことは勢いで書いてしまうという悪い癖があるので。

三重送信の件、お気になさらず。修正しておきました。
こちらからもTBさせて頂きますね。
Posted by *スノゥ* at 2005年07月23日 01:43
トラックバックありがとうございます。
『愛国心』という言葉ひとつをとっても
解釈の仕方によっていろいろに取られるんですね。
やはり個人的な考えを書くだけでも難しいなぁと思います。

ナショナリズムだとしてもパトリオティズムだとしても
『愛国心』が紛争の種になることだけは避けて欲しいと思います。
きれい事になってしまうのかもしれませんが・・・。

こちらからもトラックバックしておきます。
Posted by みやび at 2005年07月24日 20:08
こんにちは

 一年以上前のエントリですが、愛国心について書いたものをトラックバックさせていただきました。このときはコメント欄がすごいことになってしまいました。
Posted by Rough Tone at 2005年07月31日 16:28
地球上の人間が皆愛国心なしで生活出来る時代がくるのが理想と思うが、まず不可能だろう。外国に行くのにまず国籍がないと入国させてくれない、日本国がきらいだからといって米国人、にも中国人にもしてもらえるわけがない。個人の誕生は自分の意思に関係なく親も国も選択することができない。必然的な関係を、愛する心を持つて接すること、に疑問をもつ人間がいるのが不思議だ。
Posted by 十河正昭 at 2005年09月16日 10:50
個人を国家の成員として、すなわち各々の国家が国民として認証するというシステムは、(近代的な)国家形態の変容そのものによって要請されたことである。個人を国家の成員として把握しようとする、あるいはそうせざるを得ない観点そのものが歴史的だということ。

これは論理的な話だが、関係が真に必然的なならば、敢えて愛する必要はないわけで。当然愛国心を呼びかける、なんて面倒な作業は必要ないわけです(笑。
Posted by エビ at 2005年09月16日 23:46
      愛国心に付いて

多くの論者が、愛国心の高揚の必要性を強調していますが、「愛国心が国を愛する事との抽象的な主張を当然の前提」として、「愛国心との語の成立背景を無視」しているために、「愛国心の存在意義」の説明が全く行われる事無く、「自分の国を愛するのは当然」、との強要が行われて、「国民各自の健康で文化的な生活実現との目的」に反する、「国家運営管理者の思惑実現手段」として、主張されて居るかの観が有ります

なぜ「安全神話・愛国心」については、「語の成立背景の検証」が怠られているのでしょうか? 

その理由は、「国家社会の目的は、国民各自の健康で文化的な生活
実現」との、憲法の前文・25条を初めとする、諸条項の規定を無視の結果と考えます

愛国心の高揚を主張するとは、国家社会運営策として主張することですが、我が国運営の基本方針を規定する、我が日本国憲法は、「国民各自の健康で文化的な生活の実現」が目的としています(前文・25条他)から、掛かる憲法の諸規定との論理的整合性を提示しない主張は、机上の空論・単なる感想、との域を脱しませんから、国家社会への提言としての意義は全く存在しない抽象論と言う事に為ります

国家とは、「国民の歴史的生存基盤が育成の国民気質」の反映・実現手段ですから、「安全神話 ・ 愛国心」の語源解釈には、「我が日本国民の歴史的生存環境の検証」が前提と成るにも拘わらず、殆どの学者・経営評論家等が、その必要性を全く気付いていないためです

当所は、国民の歴史的生存環境が育んだ国民気質の反映である国家目的実現策の一としての国家社会制度の一形態が、「安全神話・愛国心との言葉」で有ると解釈しています

具体的には、「愛国心は必要です」が、その内容は、多くの論者が、論拠を提示せずに主張している「国家への忠誠心・奉仕意欲では無い」と考えます

被奴隷的支配未経験で尚かつ水耕稲作農耕民族との歴史的生存環境が育んだ「相互扶助での共存意識を持つ国民気質」の反映が国家であり、国家とは国民各自の相互扶助獲得目的の組織と考えるなら、「国家とは国民各自の集合体」であり、
「自由権的基本権概念を必要とする欧米諸外国」の「国家とは外敵庇護契約の当事者との観点から必要としている愛国心」とは、全く異なる内容を有します

「我が日本国民の持つべき愛国心」とは、国家社会への奉仕・忠誠心を目的とすると解されては、なりません、との、論拠です

「安全神話・愛国心との言葉」は、法治主義を標榜するならば、何を置いても、憲法で規定の「国民各自の健康で文化的な生活実現」が目的、との観点から、解釈されなければ成らないのです

愛国心とは自分の生存基盤としての仲間(社会)を尊重する事、と解釈すべきと考えます

公立学校での、「日の丸への敬意・君が代斉唱等への強制」も、掛かる観点からの「国民各自の健康で文化的な生活実現」との社会制度の一形態としての学校教育、との観点からの、是非の検証が、必要です

然る時は、「 国家への奉仕・ 忠誠義務が愛国心 」 との、現在の多くの主張は、「国民の人間性抑圧での従順性確保との、特定政治思想:独裁政治が目的の主張」との誤解から、「愛国心は有害・無益との誤解」を生じさせてしまいます

愛国心は、「国民各自の健康で文化的な生活実現」との憲法規定を実現するための、「他人との共存意識・他人を愛する・尊重する心構えを指す」と解されなければ、人権抑圧目的の独裁体制へ奉仕するためのための主張、との誤解が生じ、「国民各自の愛国心高揚が不可能となって、我が国発展が阻害されてしまいます

今日の我が国産業界での@「我が国のみが世界で唯一、究極の効率的生産方式の安全神話を構築した論拠の不提示 A「安全神話の崩壊現象の増加傾向」も、掛かる意味の愛国心構築背景解明の必要性意識の欠落が、真の原因と、初めて理解する事が出来ます

安易な愛国心の批判は、「独裁体制を目論む人々」への応援となってしましますから、自重が必要です

 主宰 角田 徹 
Posted by AK(アック)社会制度存在意義研究所 at 2006年10月22日 15:34
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