2006年01月03日

滅私奉公は森善朗の座右の銘

公共批判第二回目。

ネタがないと書けない質なので、どうしても言説批判という形式になってしまう。申し訳ないが、またまた例によって自称右翼酒田市民氏にご登場願おう。


国家アレルギーは 個人を異様に 偏重し
個人の権利のみ 声高に主張させ
個人への 義務や 制限を 取っ払い
公共心を 崩壊させゆく

私を滅し 制限し 公を優先させなければ
授業中 携帯電話が 鳴り出すのも仕方ない
2005年12月01日 公共心と個

以下、問題点を列挙しつつ批判する。


1、まず、すぐに「個」と「私」が混乱しているのに気付く。

おそらくその辺をきちんと考えたことがないが故に安易に互換させているだけなのだろうと推察するが。
公共論として成立させるためには少なくとも、「個(個人)」と「私」とは概念的に、どこがどのように異なるのか、またはほとんど同じ意味なのか、はっきりさせておく必要がある。


2、個人主義と利己主義は、意味的に峻別されるべきである。

そもそも。例えば上のような携帯の使い方で言えば、そうした乱用というのは、果たしてこの社会に公共性がないが故の問題なのか?

この携帯を一つの騒音問題として捉えれば、この社会はもともと騒音一般による私的空間、個人空間の侵害に対する意識がめっぽう低い(公共的交通手段の放送案内、種々の爆音宣伝カーなど)。

もし仮に戦後民主主義が、日本社会に個人の権利や自由の価値意識を拡大させ十全に定着させたのならば、誰かが携帯の乱用をすれば、真っ先に、自由主義の危害防止原理により「個人としての私(ワタシ)が迷惑だから止めてくれ」と周囲から注意され、そんな身勝手な振る舞いは規制されるだろう。

私が「真っ先に」とわざわざ言葉を挟む意味が分かるか。
授業者や制度やルールや公共や国家などが上から規制する「前の段階で」、という意味だ。
「私」を制限するのは「公」以前に、確固とした「私」自身の原理でもあるのだ。

公共性の薄さももちろんそうだが、その前にむしろ問題は、公私の別を緩く曖昧にする伝統的「世間」のもたれかかった人間のあり方にあって、真剣に見つめるべきは近代的個人主義、自由主義の未成熟のほうではないのか?つーことだ。


3、個人主義と公共心を、どちらか一方を減らすことなしには、もう一方を増やせないという単純なゼロサム関係として捉えているのが見て取れる(もちろん私自身はそうした立場に立たない)。
しかし、
個と公は対立関係ではなく
個が公から独立して作られもしない
「個」は「公」という制約の中で育まれる
2005年11月24日 公と個と私
とも述べており、上ではゼロサム関係と捉えているのに、一方では対立概念ではないとはどういうことなのか。常人には理解不能だ。
よく分からんが要するに、「個」は「公」によって規定・制約・否定される、「個」や「私」が「公」に一方的に従属する滅私奉公的公共観なのでしょう。

個人主義や自由主義を否定したところにたつ「公」というものを、スターリニズムやファシズムやそうした全体主義を同時にハッキリ排除したものとして、どうやればイメージできるのか教えて頂きたいと率直に思う。


いよいよ次回は、そもそも公共とは?という話になるでしょう。


参照
公と個と私
小林よしのり先生とpixie酒田市民#0619の個と公
公共心と個
posted by 日本海式エビ固め at 21:38| 天津 ☁| Comment(0) | TrackBack(2) | 公共 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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公と個に関してまたTB
Excerpt: またここでわたしに対して反論というか何と言うか... まぁ、よしりんの「公」に対する考えが完全にわたくしpixie酒田市民#0619と 一致しているわけではないだろうが よし..
Weblog: pixie酒田市民#0619's 独り言
Tracked: 2006-01-04 10:56

ブログ初挑戦☆
Excerpt: 新参者です♪お手柔らかにお願いネ!分からなくって今日の出来事なんだけど...
Weblog: 初めての日記どうかなぁ?
Tracked: 2006-01-13 22:15

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